研究概要
先端複合材料のマルチスケールメカニクス
~ナノ・マイクロ・マクロの「各スケールにおける構造と力学特性の関係」と「スケール間の力学関係」の解明~
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を機体・車体部材に使用することで飛躍的な軽量化に成功した航空機や自動車の登場は、CO2排出削減に大きく貢献しています。一方で、CFRPに代表される繊維強化複合材料は力学特性の異なる材料から構成される不均質材料であることから、その力学的取扱いは極めて複雑です。したがって、低炭素社会の構築ならびに安心・安全な社会構築に貢献する信頼性の高い複合材料を開発するためには、その損傷機構や変形挙動の解明に加えて、予測手法の確立を行い設計・保守に役立てる必要があります。
本研究室は、CFRPやカーボンナノチューブ(CNT)紡績糸強化プラスチックに代表される先端複合材料を主な研究対象として、ナノ・マイクロ・マクロの「各スケールにおける構造と力学特性の関係」と「スケール間の力学関係」の解明に関する研究を行っています。
固体力学(材料力学、弾塑性力学、複合材料学)を基盤とする実験研究に重きを置きつつ、そのうえで先端測定法・先端観察法や計算科学・データ科学などの研究アプローチを融合させることで実験研究のみでは解決を図ることが困難な多元的な研究課題に対して人類が有する知のフロンティアを押し広げることを目指しています。

